コンコン
ベットでぼんやりと考え事をしていたアリアは窓を叩く音を聞き付け身を起こした。窓には真っ黒な梟。嘴には手紙がくわえられていた。
「やあ、ご苦労様」
ビスケットを砕きそれをやりながら文面に目を通す。優雅に梟が飛び立つとため息を吐きながらアリアはそのまま部屋を出ていった。
「来たわよ、なにかしら?」
「あーら!分からないの?シリウスやジェームズに近寄らないで!」
空き教室に呼び出された途端、(ケバい)女学生に囲まれグチグチ言われた。…………………。…全く、人間の女は厄介だ…。思わずバレぬようにまたため息をつく。リーダー格の7年生の女生徒が前にやってきた。その顔を見るとアリアは思わず目を見張った。
「皆は、先に帰ってくださる?わたくしが処理しますわ」
「まあ、さすがエリザベス様ですね!お任せしますわ」
取り巻きはニヤニヤしながらすぐに退散していった。2人だけになった教室。すぐさま防音呪文がなされる。アリアの口から彼女の愛称が紡がれる。
「久しぶりね、リズ」
「お久しゅうございますアリア様」
さっきの態度とは豹変して、エリザベスは膝をついて頭を下げた。
「私を呼び出すなんて、よっぽどの事なんでしょう」
「はい、アリア様が急に姿を見せた事でグリフィンドールの彼らが貴女様を探っておられますね」
「ほんと、困るわね…」
「それだけならいいんですが…」
言葉を濁すエリザベス。促すと小さく続きを言った。
「ルシウス・マルフォイに、お気を付け下さい」
「あの、純血の一家の嫡男にかい?」
コクリと頷くエリザベスの頭をポンポン叩き感謝を示すとアリアはそのまま教室を後にした。
談話室に帰ったシリウスを待ち構えていたのは顔を青白くさせた仲間だった。?マークを抱えたまま彼らに近づく。
「おい、どーしたんだ?」
「シリウス…これみて」
「ん?嗚呼、吸血鬼のか」
ザッと目を通すシリウス。すると1分も経たないうちに顔色が悪くなってきた。最後のブラック家の関連する家についてを読むとあからさまに動揺していた。
「クラン家…?」
「知らないのかい?」
「……」
だんまりのシリウスにリーマスはサラリと言った。
「シリウス、君は多分、それに関する事は記憶から消されたんじゃないかな?君の両親が」
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