同じ時間帯、ジェームズはリーマスとピーターを引っ張って図書室で本を読み漁っていた。調べる事は、クラン、チューブ、吸血鬼。分厚い本はもう山を成している。ピーターはもううとうととしている。『純血の家系図大全集』、『マグルに交ぐる〜基本生活〜』、「魔法界の歴史」、『マグルの医学』、『最も高度な魔法生物とその生態』積まれた本はどれも難しく、中には禁書すれすれのものもあった。
「リーマス見つかったかーい?」
「マグルって不思議だね、身体を切って病気を治して「リーマス!」おやごめん」
「……で、なにかあったかい」
「マグルはチューブはいろんな所で使ってるらしい」
「そこから吸血鬼には辿りつけない、か…」
「病院という所では血液を出し入れするのに使うみたいだけど…」
「確証はない、か…」
「ところで、ピーターは何か見つかったかい?」
慣れない分厚い本をもたもたと捲っていたピーターは顔を上げると少し疲れたようで一口チョコをかじった。飲み込むとさっきまで読んでいた頁を指差した。
「きゅ、吸血鬼の生態とかは、ここに載ってたよ」
「有難うピーター、えーっと……
吸血鬼、ヴァンパイアとは太古から続く強大な力を持った一族である。彼らは人間同様の容姿、否さらに美しい姿を持つ高知能なイキモノである。尖った犬歯は吸血に適し、瞳は苦手である太陽を避けるため瞳孔が細い。杭を心臓に打つと死ぬ、十字架やニンニクが苦手という諸説がある。ある地方では水をも苦手とするらしいが定かではない。彼らは人間とあまり接触を好まないが、ごくまれに人間に近づく吸血鬼もいる。彼らは我々人間にとっては、未知のイキモノと言ってもいいだろう。
か……。」
「むっ、難しい話だけど、ホグワーツにいる吸血鬼は珍しい、んだね」
「吸血鬼自体が珍しいけどね」
リーマスとピーターが吸血鬼に関する文献について話していると、ジェームズが真っ青な顔付きで2人の方を見た。手に持っているのは、『純血家系と関わりのある人々』という禁書だ。
「どうしたんだいジェームズ、それは禁書だろ?」
「これを、見てくれよ…、誰かがコレを見せないために魔法をかけてたらしくて、解除したら…」
「え、っと……ブラック家に関わる一族?マルフォイ、ゴイル…クラッブ……クラン…クラン!?」
「えっ、それって…」
「しかも欄外を見てみなよ」
リーマスとピーターがおそるおそる頁の端に書いてある文字を読んだ。
クランは日本の吸血鬼の始祖と言われている。
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