「おいなまえコレつけろ」


「……つっくん、まじでコレかい?」


彼氏に真顔で急につきつけられたのは、黒いふさふさの猫耳のついたカチューシャ。私にこれをつけろと?冗談じゃない!


「なに言ってんの、そんなのむ、り、だか…ら……」


「ふーん」


真っ黒な微笑みでつっくんはずいっと近寄ってきた。こ、こういう時ってまじでやばい、んだよね…。メーデー!


「へー俺悲しいなーカノジョさんに嫌われてんのかなーあんなことやこんなこと誰か他の人に言っちゃおうかな嗚呼ほんとにショックだなてかつけろ」

「黒い、てかあんなこととかないよね?!」


でも期待と黒い熱い眼差しに負けて、そっと頭の装着してみた。



……きもちわるい、よね。



「…………、あー、まぁいいんじゃん」


少し、ほんの少しだけ耳を赤くしたつっくん。か、可愛いっ。


「じゃあこの尻ぽ――」

「ざけんなよサイヤ人」








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