「ったく、なんでコレを着なきゃいけないのあの駄犬め…」
あたしの目の前にはワイシャツとリボン、短い赤のチェックの入ったプリーツスカートだった。目眩がした。でももし、コレを着なかったら……、スリザリンの人たちみたいに悪戯されるきっと!あいつ等ならしかねないっ!
「俺がお前を女にしてやる!」
ふざけてる、あたしはボーイッシュな方が好きなのに!で、も………やっぱりしなかった時の仕打ちが怖い…っ。だって、あたしチキンだし。こんな自分、変わらなきゃって思うんだけどなー。ため息をつきながら仕方なくスカートを手にとった。
* * *
「なーんでユウナをプロデュースするなんて言ったんだい?」
「ただなんとなく、あいつにとっちゃ屈辱だろうなーなんてなハハハ!」
ガチャリ、と女子寮の扉が開いた。自然と目がそちらにいく。そこには女の子がいた。短めの髪だが薄く化粧が施され、可愛かった。ぼけーっとその女の子を見ていると、不機嫌そうにドカドカ降りてきた。そこで気が付いた。あの服…俺が、用意してやったやつ。リーマスがおそるおそる話しかけた。
「あー……ユウナ?」
「そうだよルーピン、……ってそんな見んな駄犬!腐るだろボケっ!」
「だ、駄犬…ボケ…?!お前っ、グリフィンドール1の天才イケメン少年シリウス・ブラックに対してなんて事言うんだっ!」
「黙ろうかシリウス――――で、化粧までしたのかい?」
リーマスが問いかけるとユウナは困ったように後ろを振り返った。そこにはうふふふと笑っているリリーがいた。満足そうにユウナを見ている。
「私がやってみたのよ、前から思ってたのよねユウナは少しイメチェンすればとっても可愛くなるって!メガネの仲間たちのお陰ってのは気にくわないけどこうやってユウナを私が可愛くしてあげる事ができるなんて嬉しいわ!1週間なんて言わないでずっとしないかしら?うふふふふ、今からわくわくしちゃうわ」
「嗚呼リリー!なんて君は素敵な女性なんだ!」
「黙りなさいポッター」
空を華麗に飛ぶジェームズにユウナは合掌していた。あれ、シリウス?リーマスはだんまりなシリウスを見つめる。でも顔までは見えない、後ろからじゃ表情が…そう思って回り込むと………。
「シリウス、顔赤いよ?」
「っ!そんなわけねぇ!」
どうやら楽しくなりそうだ…。リーマスはにんまり笑った。それを見ていたのはオロオロしていたピーターだけだったとか。
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