なんとか(今夜一緒にご飯を食べようと約束して)機嫌を直したシリウスは私のリボンをネクタイに変えたり、靴をお洒落な運動靴にしたりと細かくコーディネートし直していた。ちょこっと緑の入ってたリボンは、赤と金、我らがグリフィンドールのカラーが入ったネクタイに変えられていた。


「やっぱ、こうでなくっちゃなあ!」


「あんたさっきまでのキャラからの変貌ぶりはどーよ?」


「人生素早く切り替えて楽しまなきゃ損なんだぞユウナ!」


「あんたに言われたかねーわ!」


大広間での一悶着は、他の寮にも知れ渡ってしまいあたしの方が不機嫌になった。あああああもうこれから課題と魔法の練習、クィディッチの練習もあるのに!そんなあたしに構うことなく周りをうろちょろする内面が残念なイケメン。(因みにこの場合のイケメンは存在してはいけないメンズ)



チラチラ

「……」

チラチラ

「……」



チラチラ

「……っ、」

チラチラチラチラ

「っぁあぁあぁあぁあ!!!なんなんだてンめぇ!用があんならさっさと言えってーの!」

「ん…いや、ただな…やっぱ俺のセンスの良さを改めて実感」

「そうかこの階段から落ちたいんだね」



こいつは自分に陶酔しきってる。ああー羨ましいよそのポジティブシンキング。頭はいいし運動神経バッチシだし…認めたくはないけどカッコイイしお金もあるし、あたしの持ってないものを全部持ってる。あ、やべ…ネガティブきたー。


「ん、いや……そ、そろそろクリスマスでダンスパーティーだな…と」


「へぇ…ダンスかあー…ん?なにこの嫌な予感ガチする、えフラグ?立たねぇよ」


「え、誘う前から撃沈?」


燃え尽きたようにシリウスが真っ白に見えた。思わず目を擦ってみた。あ…見間違えか。


「俺と、その…、ダンスパーティー、行かない、か!」


「……………っ」


「え、シカト?さすがの俺も泣くんだけど」


「………少し、考えさせて」


「お、おう…じゃあ、夕食で」



何時にも増して挙動不審な動きのままシリウスは何処かへ駆けていった。…。シリウスが行ってくれてよかった。


「……顔、あつい」


ほてりはまだ冷めそうにない。

×

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -