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「シリウス・ブラックのせいなんです!」
「ああ…なるほど」
絶対に穿かない短いスカートからはクィディッチで鍛えられたスラリとした足がレースのタイツで覆われていた。
肩の所が開いていて、鎖骨までも見えている。…………恥ずかしい。黒と紫、アクセントに白と赤を基調とした服は、赤と金のユニフォームの中でもよく目立っていた。
「……あんたに残念なお知らせよ」
「?」
チラリと逸らされた視線の先を追うと、緑と銀の集団。
「!!な、なっ…ななな…っ!」
「あたし等の次はスリザリンの練習なんだよね…ユウナ、あんたからかわれるターゲットになるわよ」
チームのみんなが一斉に合掌した。……こいつらっ。
フィールドの一角を占領したスリザリンは、(マルフォイを中心にして)こちらをみていた。(ルシウス・マルフォイを除く)スリザリン生は冷やかし、怒声、嘲り、ブーイング…。それに加えてあたしが近くを通る度に起こる歓声と口笛、私のプレーを邪魔するには十分なものだった。ただでさえこの格好で恥ずかしくてプレーが乱れているのに。
あたしはクアッフルをスリザリンスレスレに投げ付けた。ヒィイッと悲鳴が上がる。イイザマ!
奴らの反対側にはシリウスとピーター、リーマスが陣取って、あたしとジェームズを応援していた。緑の方に鋭い視線を送り、あたしの方を見るとササッとカメラを構えるシリウス。……あいつなにしてんだ。あんだけ才能あんなら選手になれし!
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