……美々が来ない。教室の入口でずっと待ってたけど、いつも美々が来る時間になっても来なかった。担任がやって来てホームルームが始まった。つまらない、机に突っ伏しているとふと黒川花が目についた。担任が黒板に何か書いている時に、こっそり京子ちゃんへ携帯画面を見せている。覗き込んだ京子ちゃんは、びっくりした顔で黒川を見て、それから――――。


「……」


「…?」


俺をチラリと見てきた。その瞳は驚きと哀しみ。美々の事だ、何故かそう思った。超直感が働いたのだ。




* * *




「ねぇ京子、美々からこんなメール来たんだけど」


ホームルームの時間に花が携帯画面をみせてきた


―――

今日は休むね、
ってか明日外国に行くの。
今までありがとう。
京子ちゃんにもよろしくね。

―――


ぽっかりと胸に穴が空いたような気持ちになった。外国…。遠くに、行っちゃうんだ。前の私だったら喜んでたかもしれない、けど今は美々ちゃんは大切な友達。明日からは、外国に……。ツナくんは、この事を知ってるのかな?こっそり窓際の席を見る。


「っ!」


目が、合った……。ツナくんは超直感、というものを持っているってお兄ちゃんが言ってた。見透かされているようで、思わず逸らしてしまった。
 

 


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