「―――それで僕は、仕方なくボンゴレに入ったんだ仕方なくだよ」
「はぁ……」
「赤ん坊が煩くてね、草食動物の沢田綱吉の守護者になれって」
スラスラと恭弥くんの口から話されるマフィアについて云々。ボンゴレファミリーはマフィアの中でも古くて、巨大で、格式のあるもので、綱吉は1代目ボスの血筋だそうだ。イタリアに本部があり、夏休みは修行も兼ねて行ってきたと教えてくれた。
これで、疑問は無くなった。大学には行かないこと、母親に詳しく言わずにイタリアに行ったこと、…………私と、別れたこと。ボスであるドンボンゴレの女となれば命を狙われる可能性が大きいから、綱吉は安全の為に私と別れたんだ。悔しかった。私は綱吉が好き、愛している。それなのに………。強くなりたい、私は決心した。
「恭弥くん、ゴメン………やっぱり私は綱吉じゃないとダメみたい」
「そう……じゃあどうするんだい?」
「…………強くなりたいの」
なら家庭教師が必要なんじゃないかな。恭弥くんはそう言って、どこかへ電話し始めた。応接室に取り付けてある古いタイプの電話でクルクルが受話器に付いてる。……どうやらクルクルするのがお気に召しているらしい。
「並盛高校応接室に明日来て、鷲の赤ん坊と一緒に」
そう言ったらすぐに切ってしまった。………流石雲雀恭弥。思わず見入ってしまった。
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