目に見えて美々は痩せた。チラリと見てもご飯を口にしていない。無理矢理口にしてもすぐに何処か――きっとトイレだ――に行って 吐いているのだろう。さすがの京子ちゃんも黒川も心配していた。あ、京子ちゃんは美々に謝ったらしく、今では一緒に移動授業に行く程仲がいい。ケーキ好きという趣味が一致したようだ。……女の子って分からない。



「なあツナ、美々はマジでヤバくないか?」


「……こっちの世界の方が危険だから、仕方ないよ」


「気付け野球バカ、十代目はあいつを思いやってんだよ!」


そう言いつつもチラチラと心配そうに見てるね獄寺君。ハハッ、結局君を見てしまうんだ。俺と美々が別れたと聞いて、俺にも美々にも近寄る奴は沢山いた。でもお互いにそれを跳ね退けている、きっとまだ相思相愛だろうな。




「美々、あんた病院行きなよ」


「花…大丈夫だからさ、気にしないで」

「大丈夫じゃないでしょ?美々ちゃん痩せすぎてるよ」


「でも…味のしないご飯を食べたらね、吐いちゃうんだよ」


乾いた笑い声、顔色を変えて顔を歪ませる京子ちゃんたち。聞いていて苦しかった。でも、彼女をマフィアとか汚れた暗い世界に浸したくなかった。ボスの女、というだけでも命を狙われるのだ。そんな事になるなら……。そうリボーンに言ったら鼻で笑われた。


「逃げんのか、ダメツナ」


返す言葉がなかった。

 

 


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