私は顔を綻ばせた。忘れられてたわけない、ただ、思い出は美化されるから、仕方ない。指先の冷たさがなくなって少し荒くなってた呼吸もだいぶ落ち着いてきた。後ろからビシバシとくる視線を背に私は鎌を片手にアレン・ウォーカーの元へと駆けた。


「!!シャオリーっ!」


お願い名前を呼ばないで。私が私に戻ってしまう。私のイノセンスとアレンのイノセンスが鈍く大きな音をたててぶつかり合った。でも男女の差は越えられず、腕にじんと痺れが走った。

「ほら、アレン邪魔だよ…ユウにアルマとの感動の再会を邪魔してるじゃない」

「何言って…」
「あいつは死んだ」


ぐちゃりとロードの人形の頭を右手で握り潰しながら神田ユウは一言だけ言った。沢山ロードがアルマの事、教団の事を言いながらユウを苛立たせる。きっと、昔の事を思い出させているのだろう。その方がワイズリーの術が効きやすくなるから。


「どうしたのぉ〜?アルマに会えて嬉しくなかった?」


グシャッと潰されたロードが地に落ちながら止めの言葉を吐いた。


「もしかしてキミにアルマを斬らせた女ぁ…"あの人"のことが関係あるのぉ?」

六幻が鞘から抜かれた。ロード人形の腹に刺そうとしたそれをアレンが慌てて私から逃れて刃を掴んだ。


「落ち着いて神田…!こんな攻撃がロードに効かないのは知ってるでしょう!挑発に乗っちゃダメだ!こいつらキミで何かを企んでる!!」

アレンが我を失いかけているユウを落ち着かせようとしていた。


「いいわ、アルマだって信じられないなら…アルマ自身に信じさせてもらいましょ?」


そう私が言うとワイズリーが手を翳した。目あの悪趣味な目玉模様がユウとアレン、それにロードにまでついた。





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