アレン、否14番目の手が千年伯爵の頬を撫でた。懐かしそうに、ゆっくりと触れる。
「オマエニ伝エタカッタンダ、オレガ戻ッテキタコト」
「14…番目…ッ」
「来テクレルト思ッタヨ兄弟…今度コソオマエヲ殺ス、オマエヲ殺シテオレガ千年伯爵ニナル!!」
ノアにも、教団の人たちにも衝撃が走った。そう、あの千年伯爵を倒して…自分が千年伯爵になるだ、なんて。その凍った空気の中、声が響いた。
「あら?わたしとのやくそくは?」
「勿論ダヨ、一緒ニズット2人デ暮ラソウ…」
「ふふ、ひさしぶりね……もうまちくたびれちゃったわ、でも…」
「ソウダネ、モウ時間ノヨウダ…」
14番目とシャオリー、ではなく15番目が話している時やっと静かに千年伯爵は口を開いた。
「それが…望みなのデスカ「14番目」…」
「ち…が、う…っ、ちがうっ!!僕は「14番目」じゃない…!?うぐっ…っ、がはぁっ」
苦しそうにアレンが吐血した。15番目もシャオリーから出るのに相当の力を使ったのか、バタリと倒れこんだ。
移植された"記憶"(メモリー)は徐々に宿主を侵蝕しお前を「14番目」に変えるだろう