皆は私を家族だと言ってくれている。でもそれは千年公に植え付けられた感情。勘の良いルル・ベルは、私を嫌そうな目で見てくる。そのせいかずっと黒豹になったまま。肌だって褐色、というよりは薄い。"慈愛のノア"、だなんて元から居ない。ただ、私を縛り付けるための名前に過ぎなかった。
たしかに15番目、と呼ばれていた。でもそれもただ軟禁されていたようなもの。そう、15番目もノアに囚われた者、囚われた姫だった。だからAKUMAも私のことを姫様、と呼んだのだ。
「ねぇ〜シャオリー〜」
「なーに、ロード」
私は千年公とロードと、北米支部のすぐ傍まで来ていた。お人形のロードは千年公の肩からぴょんと跳ねてこっちに飛んできた。
「ボクねぇ〜知ってるんだぁ、シャオリーが本当はノアじゃないって…」
「!」
「でもぉ、ボクはシャオリーが好きだよぉ〜?例え千年公に植え付けられた記憶、感情でもねぇ」
ぎゅうーと抱きつかれる。千年公からは冷たい視線。
「コラコラ、ロードったラv」
「でもぉー千年公……ボクは15人で過ごしたあの時間が一番好きだったよぉ?」
「………アノ時は、デスネ…」
何年も前、あの頃は。14番目も裏切ろうとせず、"私"と共に過ごし、"家族"と笑っていたあの時は。
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