「なぁ、シャオリーはなんでイノセンスに選ばれたんだ?」
「知らないわそんなの…"カミサマ"にでも聞いて」
その答えが面白かったのか、ククッと笑うティキ。彼が纏う服の隙間からはアレンが付けた傷がかなり見えていた。痛々しいそれはまるでティキの心を映しているようで、直視できなかった。
「さぁ、戦いの始まりデス」
千年公はその後に私にだけ聞こえるくらいの小さな声で囁いた。
「シャオリー、貴女も分かってマスネ?貴女はただの人質だということヲv!」
「っ、…」
そう、私は"森羅万象"の力を持った、人間でもノアでもない、灰色の存在。
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