シャオリーが帰って来なかった。リナリーは泣いて、モヤシは凹んで、ラビはあからさまに不機嫌になった。口には出してないが、ファインダーや科学班の大半は恐ろしい女が消えて良かったと小声で話していた。


あいつは、馬鹿だ。自分の立場を守るためにあんな呼ばれ方までして、教団にいたのだから。チッ、と舌打ちながら食堂へ向かう。端には白髪、いつもの2倍の量の飯を無言で口にしている。その隣には中央庁の役人。俺には関係ねぇ、そう思い頭からシャットダウンさせる。


「おいジェリー」


「あらん、神田じゃないのんっ」


「いつものを頼む」


「分かったわよん、…………あの子、帰ってくるかしらね?」


あの子、勿論シャオリーの事だろう。知らねぇと言うと「そう言うと思ったわっ」と言いながら蕎麦を差し出してきた。


「神田、シャオリーちゃんはいい子だったわ……」


「………そうだな」



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