「お前は「14番目」の"記憶"(メモリー)を移植された人間、「14番目」が現世に復活するための宿主だ」
「方舟で奏者の唄を知っていたのも弾けないはずのピアノが弾けたのもあなた(アレン)じゃないわ、全部「14番目」の"記憶"(メモリー)なの…あの時あそこで何か見たでしょ」
私とクロスがかわるがわる説明してふとアレンを見ると、固まっていた。どうやら話が進みすぎたのとまさかの展開に若干頭がついていってなかったのかな?あーあ、クロス元帥はこういう話が止まることを嫌う――――バチィン――ドタタッ、ゴンッ―――ほら来た。ため息をつく。それからまるで漫才のような掛け合いっこ。……もう、見れないのだけれど。
「シャオリーは…なんでここに、そんなに知って…っ」
「なんでって…私はアレンとおんなじだから」
「おな、じ…?」
不思議そうに頬を少し染めてアレンは聞いてきた。アレンと同じように地べたにしゃがみこみ、その白い両頬に自分の両手を添えた。呪いのペンタクルを愛しそうに見つめる。
「14番目」と「15番目」は恋仲だった、マナと3人で千年公を裏切って殺そうとした。彼が死んで後を追うように私も殺された。涙を流してるのはノアの私か、人間の私か…。アレンを好きだと思っているのはどちらか…。自分でも分からなくなる。…それでも2つあるから今の私、シャオリーなのだ。アレンは複雑そうな顔をしていた。