私は15番目のノア。慈愛の記憶(メモリー)を受け継いだ者。ノアも人をも愛する存在だ。本来なら13人だけのノア、でも2人も異端が生まれた。それが"彼"と"私"だった。この事に気付いたのは本部襲撃事件の戦っている最中だった。アレンとリナリーとレベル4を破壊しようと暴れている時にそれは起こった。まだリナリーはイノセンスが発動してない時――――



「くそっ、身体が…」


「大丈夫ですかシャオリー?!」


「"シャオリー"…?もしや、ひめぎみなのですか?そうかそうですか!ああなんでくろのきょうだんになんているのですか、……とらえられていたのですね!それでははかいとだっかんをぼくのそんざいいぎとしてじっこうさせてもらいます」



ひめぎみ、……姫君とレベル4は言った。何のことかさっぱり、私は黒の大鎌(ダークデスサイズ)を構えて飛んだ。するといつの間にかレベル4が目の前に居て、攻撃どころか声をあげる前に額に人差し指が当てられた。触られた所からどす黒い光が一瞬。あつ、い。


「い"、あ"ぁ"あ"ぁ"あ"ぁ"あ"ぁ"あ"ぁ"っ」


「シャオリーっ!!」


痛い痛い痛い痛い!!頭が破裂するようにガンガン痛み出した。それから沢山の映像が流れた。それは私であって私でない記憶。そう、この時にノアだと気付いたのだった。この事はまだクロス以外知らない。私は覚醒の反動でレベル4が倒された後に意識を取り戻した。心配する彼らの目をかいくぐってやっとの事で身体を起こしてクロスの部屋に向かう。



「おっ、シャオリーじゃ―――」


「久しぶりね、クロス」


「……………お前、15番目か」


「よく、分かったわね」



慈愛は人にもノアにも分け隔てなく注がれる。だから15番目と私がノアと反発する事もなくすんなり収まっているのにクロス元帥は多少なりに驚いたようだ。私は、笑った。そして、泣いた。



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