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「この世はまるで塗り絵のようだ」


誰が言ったかは忘れたけど、本当にそうだと思った。大体の枠組みは決まっていてその中に自分の好きな色を塗り重ねて、完成させる1枚の絵。そしてそれを異色で塗ったりはみ出したものはその他の絵から軽蔑される。







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夕暮れが遅い夏、私はまだ明るい夕方の道を昼の暑さ残る中歩いていた。バスはとうに私を追い抜いて嘲笑うかのように軽やかに坂の向こうへと消えていった。ジリリ、とアスファルトを照り付ける太陽。―――だから、夏は嫌いなの。クラクラする身体を振り絞って道路脇に植えられている大きな木に寄り掛かった。


「あっ、つー…」


私の身体にはキツすぎる、今年の夏はまだ序の口らしいのに。―――そういえば、上外場で誰か夏風邪で死んで、その親族3人も死んでいたとか。……恵曰く、どうでもいい。


だって、私には関係ないし。


かおりとか同級生はなんか騒いでたけど、もし……それが自分の身に振りかかるとしたら大問題だよね。少し低い体温の身体、私は目をそっと閉じて"起き上が"らない事を祈った。



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