「美々ーっ！やっと会えたね♪寂しかったんだからね」


「………っ」


「ぶぅ…びゃくらんソレなに？」



ブルーベルが不機嫌そうに兄さんに引っ付きながら私を睨み付けてきた。あ、もしかして兄さんの事…。そう思ったけど少し違うようだ。そう、言うなら……忠誠心。


「僕の愛する妹の美々だよー」


「えーヤダ！びゃくらんの妹だからってブルーベルは嫌だ！」


「そう言わないでよ、ホラそろそろトリカブトと綱吉君が戦うよ♪」


「ツナくんっ！」


「…(ツナくん…？)」


画面を見ると丁度トリカブトの顔だけが映しだされていた。……げっ、思わず言ってしまった。画面を見ていたから兄さんの顔が怖くなっていたのを見なかった。ブルーベルはそれを見て、思わず自分を抱き締めた。




＊　＊　＊



「…はひ？美々さんさっきから何も言ってませんね…大丈夫ですか？」


「そういえばそうだね…美々さん？」


「………」



ツナがトリカブトを倒したところで異変に気付いたのは京子ちゃんとハルだった。声をかけても美々はただ、前の画面を見つめるだけ、反応すらしなかった。さすがのディーノやリボーンもおかしいと思い近寄るとケタケタと美々が笑いだした。


「ヤット気付イタカ、愚カナボンゴレメ」


紫色の霧がかかり一瞬でなくなった、――美々の姿と共に。


「！」

「美々ちゃん！？」


「幻覚だな、向こう側にしてやられたみてーだ」


リボーンは悔しそうに今から山本と戦い始めようとする猿、否幻騎士を画面から睨み付けた。