並盛神社に着いたのは集合時間の10分前だった。チラリと美々を見ると基地ユニットを熱心に眺めていた。


この気持ちに気付いたのは出会ってすぐだった。ボンゴレの敵である自分の兄に怯える美々は、不安と焦り、憂いを帯びていて綺麗だった。俺は偶然にも暇だったから弟分の頼みを聞いてフランスに女を連れてくだけだと思った。ボンゴレ専用の離陸場に着くとボンゴレ守護者専用ジェットの傍にツナと、美々が立っていて、嗚呼俺はこいつに一目惚れしたんだと思った。今急成長しているミルフィオーレファミリーのボスの妹でそれから見つからないためにツナが手を貸してる。ただそれだけだと思ってた。


近づくとツナは少し寂しそうに美々に触れてこちらに送り出した。美々も何か言いたそうに見つめ、それからこっちにきた。俺がどんなに明るく振る舞って気を惹こうとしても意味がないようだった。あーこいつら気付かぬうちに相思相愛かよ、ちぇっ。



影からサポートするために、俺は今隠れてついてきてる。ロマーリオにも念のため此処までは来てもらってたが恭弥のとこの部下と落ち合うように言ってあったからすぐ戻っていった。「ボス、あの美女に見惚れてるだけじゃあダメですぜ」うっせーロマーリオ。影が神社を覆う、見上げると白蘭の顔のようなものが浮かんでいた。ヒッ、と美々が声をあげた。どうやらあれは超炎リング転送装置らしい。並盛で戦わない事に安堵すると共に、敵のいきがかった所で戦う不安が現れる。恭弥と山本はまだか。急に光がせばまり、ツナの額ぐらいになったところでようやく山本と恭弥が飛び出してきた。ボンゴレ匣が開匣されリングの炎が溢れる。


どうやら白蘭の予想以上の炎だったようで、上からパラパラとトランプのようなものが落ちてきた。美々が引くと雷、という単語が聞こえてきた。


「じゃあ、行こうか」


そう白蘭が言った、俺は慌てて目の前から飛び出して転送される範囲まで走った。



かならずかたなくてはいけないたたかいがはじまる。
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