「ヨヨヨ!!リボーンさん!おしゃぶりが!!」
「アルコバレーノ同士が近づくと共鳴して輝くんだがこの時代にそんなことはありえねぇ」
リボーンちゃんが思い詰めた表情で呟く。
「あるとすればラルのやつが力を使ったか…ん?」
「リボーンちゃん、その匣の中も光ってる!」
リボーンちゃんがポケットから取り出した匣を開けると傷だらけのおしゃぶりが出てきた。こちらも光り輝いている。ジャンニーニさん曰く、コロネロさんという方のものらしい。
「………ラルの身に何か起きたのは確かだが…」
「…………皆さん、無事だといいのですが…」
私たちは、祈る事しかできない。唇を咬みながら私は悔しかった。向こうが地下深くにいる為に音も聞こえない、状況が把握できない。
「…おい美々、お前は飯でも食ってこい」
「今なら京子さんとハルさんが朝食を作っている頃です」
「………京子さんと、ハルさん?」まだ他に知らない人がこのアジトにはいるようだ。…気が乗らない、でもここに居ても不安と心配ばかりが降り積もる。気分転換に、と私はフウ太さんに案内してもらい食堂へと向かった。中に入るとそこには可愛らしい女の子が2人朝ご飯を食べていた。フウ太さんと私に気付くと2人揃って首をかしげた。
「おはようございます、フウ太さん」
「はひ!そちらのビューティーな方はどちら様ですか?」
「(ビューティー…?)」
「京子姉ハル姉、こちらは美々さんだよ」
笑顔で握手をしてくれる、「じゃあ、美々さんの朝ごはんも準備しますね!」とハルさんがキッチンへと向かっていく。京子さんはフウ太さんの分を出してから私に微笑みながら「もう少し待ってて下さい、ツナ君たちに取っておいたご飯をあっためてますから」と言ってくれた。…ツナ君、と京子さんが言った時になぜかチクリと胸が痛くなった。
「………ありがとう、」
「美々さんの分ですよー」トーストにスクランブルエッグ、スープにサラダ。14歳が作る朝食にしては完璧だった。味も美味しい。
「おいひい、よ」
「良かったね、ハルちゃん」
「頑張ったかいがありましたね京子ちゃん!」
とても和やかな雰囲気が流れた。久しぶり、こんな風に朝ごはんを食べたのも。………沢田さんたちは、大丈夫かな。この時リボーンちゃんが沢田さんとコンタクトが取れていたらしい、後に聞いた話だった。
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