うとう尻尾を出したか。前々から怪しいと思っていたレオ君、やはり六道骸だったのか…。そんな野蛮な奴が僕と美々の部屋に居たと思うとゾッとするよ。ニコニコしながらも腹の中は終始煮えかえっていた。
「そのレオ君…いやグイド・グレコは君にとって2人目のクローム髑髏という解釈でいいのかな?」
「クフフフフ、どうでしょう?」
チラリと右手を見るとレア度星5つのヘルリング、闘る気マンマンなようだ。
「あなたを乗っ取るこの時を」
「食後の運動ぐらいにはなるかな」
それに、早く美々の元に戻らなくちゃね。そんな考えに気付いたのかニヤリと骸は笑った。
* * *
ハァ、ハァ…
「なんて恐ろしい能力でしょう」
これは、美々とは日本に行けそうにありませんね。右目からボタボタと血が流れる。マーレリングを甘く見ていたようだ。それだけでない、彼はリングの適合者だった。
「君のこの戦いでの最優先の目的は勝つことじゃない、謎に包まれていた僕の戦闘データを外部の他の体(バックアップ)に持ち帰ればそれでよしってところだろ?」
「ほう…面白い見解ですね」
バレている、でもそれは二の次。本当の目的は美々の奪還及び日本への逃走。沢田綱吉が最期まで気にかけていた女、白蘭の唯一の弱点。クフフ……そろそろ戻るとしましょうか…………。
「楽しかったですよ………っ!??」
「この部屋は全てが遮断されてるって言ってんじゃん」
…バカな!!万事休すだというのか…っ。バイバイ、と白蘭は呟く。血が飛び散り、痛みが媒介の身体を通してやってくる。……クロームには申し訳ないですね、後美々も、頑張りなさい。さて、あの使えない子供はちゃんとやってくれるのでしょうかねぇ…。暗闇に沈む前にそう思った。
「……あれ、美々!?………くそっ、骸君にしてやられたってわけか」
「、骸さん…?」
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