2、3日経ってからまた骸さんがレオ君に扮して訪ねてきた。私の部屋は兄さんの部屋のうちの1つだからなかなか来れないそうだ。私に骸さんは兄さんが入江正一、と言う人に抜き打ちコールと称する連絡をした頃からもう脱出すべきと判断したようだ。骸さんが私に1丁の銃を渡した。スタームルガーMki、シルバーの綺麗なものだった。それから日本までの旅費やパスポートにチケット、小箱と最低限のものを貰った。小箱は、匣というらしく、今マフィア間で戦う際の主力とも言えるらしい。沢田さんから預かっていたそうだ。それからいつの間にか兄さんにつけられてたリングは私専用のものであり、覚悟する事で炎が灯るそうだ。平和な日常を、と願いをこめるとオレンジ色の炎が輝いた。


「……これが、私の覚悟」


「銃は空港でゴミ箱にでも捨てて下さい」

このビルからはステルスリング、という気配などを消すリングを人差し指には める。少し力を込めるとリングが消えた、………凄いなコレ。今日決行するらしい。急すぎる…でも、骸さんも今日辞めるそうだから、一緒に途中まで着いてきてくれると言ってくれた。


「それではステルスリングを使って下さい……大丈夫ですね、僕は辞める旨を白蘭に伝えるので先に空港に行っていて下さい」


「もしも、ですが……時間に来なかったら?」

「先に行きなさい、それからメモに書いてある所に行くようにして下さい」



扉を開け、いつも兄さんが仕事やくつろぐ部屋を通り廊下に出る。何人か人が通ったが私には気付かない。階段を使うように勧めてから骸さんはまた部屋へと戻った。私も長い階段を下り始めた。


―――階段を下っていく彼女を見送らず、すぐに部屋に入った。幻術を使って美々が居るように見せかける。さあ、隠された白蘭の能力を見極める時間のようだ。


「お帰りなさいませ白蘭様、お食事いかがでしたか?」

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