「先輩ー起きてくださいー」


「マジムリ、他を当たってー」


「ミーが糞鮫に怒られちゃうんですよー」



ゆさゆさ揺さぶられる。重たい瞼を開けるとライトグリーンが見えた。―フランちゃん、頭のカエルは朝から装着済みなのね。可哀想に、ベルに言われたからって…。まあ昔よりマシか。前なんて、リーゼントにおめめぱっちりなカエルかぶってたし…。それにしても私より年下なのに、幹部になれたなんて凄いよね。よっぽど術がすごいか、スクアーロに気に入られたかね。え、最後のはあり得ない?まあね、はは。



「スクアーロなんてザンザスちゃんに殴られればいいのよ」

「その意見には賛成ですー。でもミーにまで被害が被りますー」


シーツをバッと剥がされ急にひんやりした空気が肌に触れる。「さむっ!」と思わず叫びながら縮こまる。くそ、新入りのくせに!仕方なくフランちゃんの服にしがみつきながら身体を起こすけど目はまだ重くて開けられない。そんな私に痺れを切らしたフランちゃんは「美々先輩ー」と言いながらがっちり腰をつかんできた。頬にチュッとリップ音。


「目覚めのキス、今度は唇にしますよー?」

「っ………!」



一瞬で真っ赤になってしまった。生意気なガキ、その印象が変わった日だった。





望ましい成長






お子様、部下、幹部、異性。
彼氏になるのはいつかしら?