「5月5日が誕生日?」


「なんか文句あるの」

「い、いやいや!なんか、意外だなーって…本当だからソレしまって!」



慌てる私に小さく彼は笑って日本酒を更に注いだ。何故か上機嫌らしく口角は上がっている。お酌役の私は逆にビクビクしてしまった。ふと考えたら、雲雀恭弥と出会ってから10年という年月が経ったんだと気付かされた。感慨にふけっていると目の前にズイッとお猪口が突き出された。や、ば!


「ほら、早く入れなよ」


「ご、ごめんなさい……ボス」


そう、私は彼が牛耳る風紀委員を母体とした秘密地下団体に所属している。地位的に言えば草壁さんのサポート、まぁナンバー3くらい。でも実態は雲雀さんのパシリだ。


「君って、なんだかんだ長く僕の側にいるよね」

「は、はぁ…」


「今の僕がいるのは君の、美々のお陰かもね」


「え、ひ、ひひ、ひばりさん!?!?」


ぱたん、と可愛らしい音をたてて畳に倒れこみ、雲雀さんはそのまま寝てしまっていた。まぁ、1週間程の任務を5回連続してたら誰でも疲れるよね。それに――――。


「今日が、5月5日なんですよ?」


おめでとうございます恭弥さん。心なしか、ふんわりと笑ったような寝顔だった。さてと、この私の大切なボスの為に、明日の準備をしなくちゃ。驚いた顔を見たいしね。




はっぴーばーすでい恭弥くん!
生まれてきてくれてありがとう^^