「……………ふわあ、」


「ねえ、任務だって知ってる?」



目の前から飛んでくる銃弾を避けながら敵へと攻撃してると隣で部下のフランが大あくびをしていた。……おいこら、死と隣り合わせの仕事だって分かってんのかよ。それでも私より正確に敵を倒しちゃうんだからムカつくのよね…。


あ、れ…?


「フラン、メガネしてたっけ?」


「探偵アニメを見てた駄王子に今日の任務中はずっとつけてろって無理矢理かけられましたー」


「あー見た目は子供頭脳は大人のアレね…」


黒縁のメガネをくいっと上げる姿はとても似合っていた。邪魔だなーやる気ねー、とフランはずっとぼやきながらもしっかり任務をこなしていく。


「似合ってるよ?」


「当たり前じゃないですか、ミーは整ってますからー」


ちくしょーこいつ今回の任務で死なないかなあ?でもBランクじゃあね…チッ。


「あ、今殉死しろとか思ったですねー」


「えへ、バレちった」


舌を出してウィンクしたら何かが飛んできた。慌ててよけたらすぐ傍の木にナイフが突き刺さってた。見覚えのあるオリジナルのナイフ…。



「お前ら王子の目の前で痴話喧嘩すんじゃねーよ、ししっ」

「「……」」


テメェのせいだ駄王子。フランと心の声がハモった気がした。ふと目があう。フランのメガネ越し、フッと笑うエメラルドグリーン。ドキリ、としたのはきっと身体を動かしてるからに違いない、そう言い聞かせて。





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