ドタッ!
「い゛ってー!」
「……(ロマーリオさんの居る時に練習すればいいのに)」
匣兵器の白馬、スクーデリアから落ちた幼馴染みのマフィアのボス、ディーノを見ながら私はかなり同じ事を思っていた。服はもう土ぼこりだらけ、綺麗な金髪には葉っぱまで付く始末。これがキャバッローネファミリーを再建させたあのボスだと説明されても初めて会う人は我が目を疑うだろう。究極のボス体質、と言えばそうなのかもしれないけど(…)。
「てゆーかディーノー、なんでロマーリオさん無しでスクーデリアに乗る練習始めたの?」
「美々と一緒に乗りたいからだろ?」
デートにまで部下は連れてかねーよ、と笑いながら答えるディーノ。は、恥ずかしい事をサラリと言えるなんて…。…………ん?
「私たち、付き合ってたっけ?」
「えっ…………えぇえっ!?」
冗談だよーと言うとホッとしたようにヘニャリと笑った。ディーノはスクーデリアを匣にしまうとお茶している私の元に近づいてきた。ディーノ用のティーカップに紅茶を注ぎ、2つ角砂糖を入れる。私はレモン、彼はミルク。
「おっ、サンキューな美々!」
「…、(すきだよディーノ)」
晴れた穏やかな午後。こんな普通でいい、私は貴方と過ごしたい。ずっと、ずっと。
骨 の 髄 ま で 貴 方 色
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