「ぶわっくしょん!」 「(…)…大丈夫ミロ?」 「カミュめ…!この季節にあんなに凍気を使うなんて酷いだろ!な!美々っ!」 「そんなこと言われても…それがカミュの戦い方だし…」
まだ不満そうながらも熱で顔を赤くしたミロは布団に潜りこんだ。怠い、とだけ呟き目を閉ざした。冷えピタを確認するともう熱くなっていた。…恐るべきカミュ。
「なあー美々ー一緒に寝ようぜー」 「私にはまだやることがあるの、ミロのお世話だけじゃないの!」 「お願いだよー…寂しいからさー美々ーー」
熱のせいでかやけに今日は甘えてくるミロ。だが本当にやることがある。シオン様に頼まれた書類を仕上げなければならないのだ。替えの冷えピタを取り出しペたりと貼ってベッドから離れようとするときぐいっと手首を引っ張られた。驚く声を上げる暇もなく、いつの間にか布団の中に入っていた。
「ちょ…っとミロ!」 「んー…抱きまくら…」 「えっ、ちょっとなに擦り寄ってる…きゃっ!」
背中に腕を回し胸に顔を埋めるように擦り寄ってきたミロ。離そうとも黄金聖闘士、風邪を引いていても力は強かった。
「猫か!」 「それはアイオリア。俺は蠍だ」 「正論を言うな!ただのでっかい金の猫じゃない!」
豊かな金髪がシーツに散らばり本当に金色の(我が儘な)猫のように見えてくる。背中にあった手が今度は腰に下りてきた。シーツの中で私たちは丸まるように沈む。
「…ねぇ、まさかだけど」 「一緒に寝るぞ」
やっぱり…!ぐいっと身体が浮くような感覚がし、2人向かい合うようになった。熱い吐息が鼻先にかかる。綺麗な瞳が熱のせいでほんのり潤っていて、目が離せない。掠めるように唇にキスをするミロにくらりと揺れるような思いがした。啄むようなキスに酔いしれながら手は優しく髪を掬う。
その手に惹かれたのは
大胆ながらも、癒される手に自分へのミロの愛を感じゆったりと瞳を閉じた。…しょうがない、一緒にいてやろう。擦り寄ってあげると嬉しそうに腕の力を強め、ミロも夢へとおちた。
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