「どうしようかしら…」

思わず月宮林檎は溜め息をついた。ここはAクラスの教室、林檎が担任をしているクラスである。教卓の前の机に座り目線を下げる。すぐ後ろの机にぐっすりと寝ている少女がいた。作曲コースの美々ちゃんだ。どうやら明日までの課題曲を編曲する、というのを教室でやっている内に寝てしまったようだ。手には可愛らしいピンクのシャープペンシル、五線譜に踊る音符、それも一部はミミズのような文字になっている。起こそうとしたが幸せそうな顔を見てきゅーんと林檎の中のオトコが鎌首を擡げた。(だっ、だめだめ…!)あら、と五線譜をよく見るとかなり書き換えた跡があった。…どうやらかなりこの課題に苦戦しているようだ。加えて目の下には隈が出来ていた。まあ!こんなにも愛らしい子なのに隈なんて作っちゃってちゃんと寝なきゃダメじゃないせめて今だけは寝かせてあげなきゃ…!と、早3時間。空はオレンジから紫を帯びた漆黒へと移り変わる時間になってしまった。ここで冒頭になる。流石の林檎もこのままでは風邪を引いてしまうと机から腰を降ろし美々の肩をゆする。(あら、細い肩ね。)

「美々ちゃん…起きなさい。もう夜になってるわよ」
「ん…あー林檎せんせぇ…」

寝起きの美々の瞳は緩んでおり林檎は何故かドキドキしていた。カシャン、とシャープペンシルが落ちる。寝ぼけているのか腕を伸ばし林檎の首に回した。

「ちょっ…美々ちゃんんん!?」
「せんせ…好き」

思わぬ告白、林檎はもう自分を抑えられなかった。恋愛禁止?そんなのどうでもいい。自分も美々を抱きしめ返し頬にキスをする。

「…知らないから」

いつもより低い声、美々はゆるりと笑みを深めた。









うたプリの林檎先生でした。
男の格好させたらやばい!←