「星を見に行きましょう」
その言葉にムウは賛同し白羊宮を出た。森に入り、川辺の寝そべるのに丁度いい岩を見つけサイコキネシスを使い上にテレポートした。静かにトン、とその場に美々が舞い降りた。白いワンピースの裾がひらりと舞う。
「寒いといけませんから」 「え…」 「おいで」
にっこり笑って自分の身に纏うマントを見せ座り込む。ぽんぽんとムウは己の膝を叩いた。……ここに座れということか。苦笑しながら腰を降ろすとムウのマントと優しい匂いが美々を包みこんだ。温かい…頬を緩めて上を見上げるとキラキラと満天の星空が私たちの上で輝いていた。
「…牡羊座、何処だろ…?」 「ほら、そのまま少しだけ右を向いて下さい…あの一番光っているのが牡羊座の最輝星、ハマルですよ」 「えーっと…あ!あった!」
にこにこと嬉しそうに自分が守護する星座を見つけて指差す美々に自分まで嬉しくなった。ムウは美々の頭に顎を乗っけて上を向いていた瞳をそっと下に戻した。
「ムウ、今日は何日か知ってる?」 「今日ですか?たしか27…あ、」 「ふふふ…はい、どうぞ」
悪戯っ子ぽく笑いながら美々は綺麗に包装された小さな箱をムウに手渡した。…そうか、今日は私の誕生日でしたね…。任務や聖衣の修復など忙しくてすっかり忘れてましたよ。そっとリボンを外し蓋を開ける。
「これは…」 「HAPPY BIRTHDAY、私の愛しいムウ」
綺麗な紫の水晶のペンダントは彼の髪色とよく似合い上品であった。嬉しそうに首にかけ美々にどうかと目線で聞いてみる。自分が選んだものを付けて貰えてうんうんと喜び微笑む彼女をぎゅっと抱きしめた。
「私も愛していますよ」
こんなに素敵な誕生日は初めてだ。ムウは瞳を閉じキスを贈った。
願わくば、愛してるの一言を
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