リングの炎が敵を薙ぎ払った。流石ボンゴレ。人数が多かった。でもその分、炎のリングがまだ行き渡ってない。こちらは人は少ないがリングは全員持っている。だから有利だと思っていた。

目の前で自分の守護者が倒れ込んだ。駆け寄るがトンファーが自分の頬すれすれに攻撃してきたので跳びはねてステッキを振り回した。

「ワォ…君も小動物だと思ってたけど…面白いね」
「貴方には負けますよ……雲雀さん」

お互いに笑みを浮かべながらも攻撃は止まることはなかった。イタリアのとある村の近くにある森は賑やかであった。…いや、騒がしかったというべきだった。その森にはネオストラの本部があり、そこをボンゴレが奇襲したのだった。それは美々の策略でもあった。慣れた土地ならかなり優位に戦える…筈だった。ドンボンゴレ、沢田綱吉はこともあろうに戦闘狂である雲雀恭弥を投入したのだった。

「貴方のとこの、ボスを怨むわ…っ!」
「そんな事、言ってられるんなら余裕みたいだね…ほら、これなら避けられるかい?」

急にトンファーから鎖が現れ攻撃が更に激しくなった。炎圧を上げながらも攻撃を避け、更に攻撃をしかける。これなら、勝てる…!そう思った矢先に背中に激痛が走った。盛大にコケてしまい地面に尻餅をついてしまった。身体を起こそうとすると目の前に銀色が光った。背中に鋭いものが刺さったようだ、…痛い。キュイ、と戦闘中には似合わない鳴き声がした。

「まさか…匣を…?」
「知ってるんだね。そして、君達の負けだよ」

その言葉のすぐあとに彼の部下であろう男が本部を制圧したと告げた。彼からは煙の臭いがした。