隣んちの幼なじみが部活終わりからうちにやってきてそのままあたしのベッドを占領しやがった。更には乙女のベッドで仮眠まで取りはじめた。苛々したまま、あたしは眠ったままの征十郎をただじっと見ていた。

「覚えてろよ、このエセ紳士…」

よっぽど疲れていたのか、バスケ部のユニフォームを着たままぐっすりと眠る征十郎の顔は昔の時のような、意地悪さのない穏やかな表情だった。…あ、汚いユニフォームのまま寝やがったな。ふつふつと沸き上がる怒り。ふと放り出されたアレンの足に目がいった。…膝に擦り傷?珍しいな、あの征十郎が、怪我するなんて。綺麗な白い肌に傷、……なんか、嫌だ。かすり傷の上に早く治るように、とキスを施した。………え。冷静になり自分のしでかしたことを考え美々の顔は真っ赤になった。

(なにやってんだ自分…!!)

慌てて部屋を出て扉をしめ、そのまま寄り掛かったままずるずる座り込んだ。あああ征十郎の顔見れないじゃないいいいい!!

――――起きていた征十郎は、身体を起こした。少しだけ顔を赤らめたがそれでも嬉しそうに久しぶりに純粋な笑みをみせた。

「やっと、幼なじみから進展できるかな」