「ねぇ、このままでいいの?」

ビクリと震えながら恐る恐る、といったように炎真は美々の方を上目遣いで見上げた。怒ったような声、やはり目は吊り上がり怒りを露にしていた。

「ボンゴレとあんなに仲良くなって…炎真の目的は何?敵をとるんでしょ!」
「で、でも…ツナくんはこんな僕を…友達だって…」
「呆れた…あのずる賢いアルコバレーノの策よきっと。いい?ボンゴレデーチモ、十代目ボスはあの沢田綱吉なのよ!!」

叫ぶようにまくし立てて美々は炎真の胸倉を掴んで引き付けた。伏し目がちな瞳がようやく美々の強気な明るいコバルトブルーと合った。

「炎真…私の親と貴方の親は沢田家光に殺られたのよ?私は悔しい…」
「美々…ごめん、僕が弱いばかりに…」

ぽたりと涙を流した美々は手の力を緩め炎真を離した。そろでも炎真は離れようとはせずそのままぎゅっと美々の身体を抱き締めた。

「2人でシモンを、築き直そう」
「……うん」

でも、ね。優しい炎真に憎い敵である沢田綱吉を倒せることなんて出来るわけないじゃない。分かってる、そんなこと。でも、この道しか私のこの気持ちの行き場所はないんだ。醜い、気持ちが。






元拍手でした(^ω^)
初炎真くん…難しい涙