ひゅーと頼りない呼吸が地下の訓練所に響いた。仰向けになり大の字で美々は倒れ息を整えているのだ。呆れた声がその空間に響く。

「君、そんなんでミルフィオーレに勝てると思ってたの?」
「そっ、ゆ…わけ…!っはぁ…」
「ま、僕にとっては懐かしい弱い君ってだけだけどね」

美々、と名前を呼ばれるだけでいつもより早い鼓動が更に早くなる。……一体、未来の私とヒバリさんはどんな関係だったんだろう?どうやら一目置かれて私が強かった、ことは聞いた。だがそれ以上は教えてくれなかった。大人の山本くんも京子のお兄さんも苦笑いを浮かべるだけだった。

「その格好…女っぽくないね」
「訓練中だから…いいじゃない…ですか…」

タンクトップに短いホットパンツ、たしかに年頃の女の子の格好ではない。が、戦闘の訓練してるあたりで私を普通の女と比較されるとイラッとする。ヒバリさんは胸元のネクタイをグッと緩めながら自分は壁に寄り掛かり鋭い瞳を閉ざした。うっ、わー絵になる…。

「ねぇ美々、女っぽくないからってそのカッコは良くないよ」
「な、なんで…ですか?」

見たことない不思議な色を瞳に交じらせてヒバリさんは近付いてきた。え、と思った瞬間にもう終わっていた。素早く私の腹に唇を……っ、触れさせてきたのだ。

「?!?!!?!?」
「へぇ、その変な動きは10年後と変わらないんだ」

楽しそうに言うヒバリさん。な、なんなんだこの人…!慌てて身体起こし腹を抱え込むようにして隠した。






「別に僕の奥さんなんだから隠さなくていいよ」
「!?!?!?!??!?」