綱吉は部下が熱を出して寝込んだと聞いて、書類たちを片付けるのもそこそこに彼女が休んでいるボンゴレ日本支部の部屋の前にいた。……入って、いいのかな。否まだ寝てるだろうし…。ああああボスの権限★とか言っちゃえば…って職権乱用じゃねえか。リボーンみたいじゃないかそれは嫌だ。自問自答を繰り返している間にやけくそになった。1回深呼吸をしてからドアノブを掴んだ。がちゃり、と簡単に扉は開き、中に入ることができた。彼女、美々は…………寝ているようだ。ホッとしたのもつかの間、結構汗をかいているようでうなされていた。滅多に見れない弱々しい姿に驚きながらも汗を拭いたり冷えピタを貼り直したり…。指先が美々の頬に触れた時、あまりの熱さにびっくりした。

「あ、っつ…!」

かなり高いじゃないか…!どどどどうしよう!パニクる綱吉なんか露知らず美々は苦しそうに呻き声を出して寝ていた。目は固くぎゅっとつむられていて、逆に痛々しい。ふと綱吉は何を思ったのかベッドに腰を下ろした。見下ろす美々に顔を近付ける。瞼まであと5cm…。ぱちり、効果音があるかのように美々のミルクティ色の瞳が開き2人は近い位置で見つめあってしまった。がばりと離れる。、と思いきやパシッと手首を掴まれた。

「今、…………」
「ごごごごごっ、ごめんね!俺…っ」

しどろもどろな綱吉を見て眠そうに目をとろんとさせた美々はまた瞳を閉じた。

「……してから逃げて、下さい」





あまりの甘い囁きに綱吉は思わず笑みを浮かべ、瞼に唇を寄せた。その時美々も柔らかい表情でキスを甘んじて受け入れた。