私はアニスの手を振り払った。驚くアニス、悲しそうに私を見つめるイオン。しかしアニスは最優先はイオンの安全の確保と分かっているので私を連れ戻そうとはせずそのままタルタロスから避難していった。……これでいい。チラリと隣を見ると、顔を真っ青にしたルークが倒れたラルゴを凝視していた。一降りして槍の血を払うジェイドにティアが近寄った。


「大佐!おケガは?」

「大丈夫です。このままブリッジを奪還しましょう。イオン様はアニスが無事合流先へ逃がしてくれたはずです」

「でも…大佐は封印術で―――」

「えぇ…クロエのおかげでコレを完全に解くには数ヶ月で済むでしょう…」

「っ、あ………」


自分の名前が出てきて私はようやく赤から青へと視線を向けることができた。ジェイドが私を見る目が一瞬優しく細まれた。でもすぐにそれはなくなった。

「ティアの譜歌とルークの剣術、クロエの譜術があればタルタロス奪還は可能です。――協力していただけますか?」



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