私は慌てて身を翻そうとした、でもまだ肩をルークに掴まれたまま。私は第四音素を手の平に集めて、それを投げ付けた。いきなりの私の攻撃にルークは慌てて私から離れ間合いを取って剣を使い音素を薙ぎ払った。

そのまま逃げようとすると、ティアも譜術を放ってきた。…どうやら、怪しい=敵とみなしたようだ。イオンはおろおろとしながらミュウをぎゅっと抱きしめた。…やっぱ、あの術でバレたみたい。


避けていると後ろから物凄い強力な譜術の気配がした。どうやら彼も怪しいと思ったのだろう。慌てて叫ぶ、――――詠唱なしで。


「ロックブレイク!!!」
「ロックブレイク!!!」


爆発音、煙が高くのぼる。その瞬間に私は煙に紛れて後ろに吹っ飛んだ。ある程度の所まで猛スピードで逃げる。………音がしなくなった頃、ようやく足を止めた。枝に腰を落ち着けて、呼吸を整える。……さすがに、まだ、3人相手には、体力使う…っ。


まだ休みたいところを踏ん張って立ち上がり、タルタロスの場所を確認すると、案外近い場所でジェイドたちを待っていた。こっそりまた第一譜歌を使って元居た部屋に戻る。ローブを隠してからパタンと倒れ込むようにベッドにダイブ、このまま寝ちゃ、お―――――


「おや、珍しくちゃんと艦室に居たんですね?」

「ジェ、イド…」


キラリと眼鏡が光る。


「………本当は、外に行きましたね?」

「……………ごめん、なさい」

まったく、と意味もなく眼鏡を押し上げてジェイドはため息をついた。


「ロックブレイクを詠唱なしでぶっ放つのは貴女ぐらいですから、気付いて当然でしょう?」
「あ、はは…」


怒る気も失せたのか、手をポケットに突っ込んでジェイドは後ろを向いた。


「クロエも来なさい、ルークとティアが居ますから」

「連れて来たんですか?」

「当たり前です、2日前の第七音素の超振動は彼らが起こしたのですから」


やっぱりこっちも気付いてたんだ…!


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