「お…おいチビスケ、どうなってんだあいつ………ん?」
グルグルと唸り声を出しながら考えているライガクイーンをみて少し怖じけづいていたルークは黒いローブを深く被った私を見つけた。剣の鞘に片手を置き、いつでも抜刀できるようにしながら私を睨みつけてきた。ティアもイオンを後ろに下がらせながら槍を構えた。
グオォオォオ!!!!
緊迫した雰囲気の中、ライガクイーンは唸った。ミュウが通訳をする。
「お前の言う通り、住み処を移ってやる…だが分かってるな?あの子を…」
「承知した、悪いようにはしない」
私は譜陣を浮かび上がらせ、転送する準備をした。不意に肩を掴まれて無理やり後ろを向かされる。
「おいてめぇ、何やってんだよ!?」
「ルーク!」
「…ライガクイーンを、他の安全な場所に移動させます」
ハッとするイオンとティア、よく分かっていないルークを尻目に私は力を込めた。卵と共に消える巨大な身体。
ホッと安心もつかの間、私は向こうからくる青い軍服を見て固まってしまった。…………ジェイドだ…っ。