飛行機から降りる、嫌な予感がした。後は守護者たちに任せて自分１人急いで帰国した。ロビーを通り抜けて外に出ると１台の車。中からニッコリと武が笑いかけながら手を振っていた。


――――どうして、今私が帰ったことを知ってるの？

思わずさっき受けとった銃を確認した。綱吉には言ってない、ファミリーと武の関係はない。という事は…。


「並盛まで送ってくぜ」


「……運転、できるんだ」

「おう、早く乗れって」


私は助手席に乗り込んだ。すぐに車は走りだす。沈黙の車内、先に口を開いたのは――美々だった。


「どこまで、私のこと知ってるの？」

「スクアーロに聞いた、ボスってことやファミリー…親父さんのことも」


「…………そう、で、要求は？」


車が止まった。ぐいっと身体をこちらに乗り出す武。重なる唇。
「俺の彼女に、なればいいんだ」

思わず目を見開いてしまった。そんな美々を見て苦しそうな表情をする武。


「無理なら、この話を皆に言う」


「…………………っ」


私は抗うすべはなかった。武の口づけに応えるべく、口を薄く開いた。それに目を見開きながらも嬉しそうに舌を入れる。やっと、美々を手に入れたと。


＊＊＊



私は携帯を取り出した。ストラップはツナとお揃いの。それを見て、私は１０秒考えてからゆっくりストラップを外した。もう、これは必要なくなる。それならメールの作成画面を開いてただ４文字だけ打って送信した。




別れよう




パカ、と携帯を閉じるも、すぐに着信がきた。開くと沢田綱吉、と。そのまま見てると着信が切れた、と思いきやまたツナからの着信。着信、着信、着信着信着信着信着信。たくさん来て逆にびっくりして思わず笑ってしまった。メールも来た。でもどれも無視した。


「この事だけは、ツナにバレないようにしなきゃ」


それだけだった。