厳かにルッスーリアは懐から取り出した紙を美々に手渡した。丸まった紙をくるりと開けると上を大空の炎が灯り、この書類が正当なものだと語った。ペンを取り出しサラサラと自分の名前を書く。ふと相手側を見ると困ったように携帯電話で話をしていた。


「ちょっとスクアーロ?うちのボスにこっち来なさいって言ってよ!……え、今不機嫌?そんなの関係ないわよ、急いで作戦隊長」


最後にハートを付けてルッスーリアは電話を切った。それから申し訳なさそうにこちらを見据えた。


「うちのボスを今から連れてくるわ、もう少しお時間いただけるかしら?」


「「「「「「「「!!!!」」」」」」」」


私たちは驚いてヴァリアー側を凝視してしまった。まさか、此処で奴に会えるなんて思ってもみなかった。あの、ザンザスに。慌てる私たちを裏腹に扉が勢いよく両開きに開かれた。入ってきたのは、鋭い眼光、傷、威圧感。ヴァリアーのボス、ザンザスだった。


「……あ、ああ…」


「フン、カス鮫がやけにうるせぇから来てみりゃ女か、どういうことだオカマ」


「まあっ!オカマ呼ばわりしないでボス」


「ボス、こいつネオストラのボスだって」


それを聞いて少し、ほんの少しだけ興味深そうにチラリと私をみた。まるで電流が走るような衝撃。込み上げる怒りを抑えながら一礼した。鼻で笑われた。

「全くもう…気にしないでね美々ちゃん、ザンザスちゃんはこういう子だから」


「逆に普通の方がおっそろしーってのー」


頭の後ろで手を組みながらベルは笑った。ザンザスはもうこちらに興味がないのか1番坐り心地のよさそうな椅子に腰掛けて目をつむった。あ、不謹慎ながらもカッコイイ。


「……お話、終わりですよね?」


隣にいた守護者の声で我にかえった。気が付いたら書類も向こう側に戻っていた。




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