「あらン、可愛いボスねぇ、ザンザスちゃんに虐められないようにね?」


「しっしっしっこんなちんちくりんが本当にネオストラのボスなの?王子ガッカリ」


美々は目の前のオカマと金髪の少年を交互に見つめながら目をぱちくりさせた。部下からボンゴレ独立暗殺部隊の事は調べさせてある。ボスはザンザス、右腕とも呼ばれるスクアーロ、それに特攻向きのレヴィ、幻術使いのマーモン、それに天才と謳われるベルフェゴールとこの個性的な彼らを纏める(オカマの)ルッスーリア。私は握ってた拳を開いて握手の為に前に差し出した。


「ナメてもらっては困りますベルフェゴールさん、たしかに衰退といえる状態ですが我々の力は衰えてはいません」


「ふーん、おっもしろそー」


いつの間にか彼の手には独特な形をしたベルフェゴールオリジナルナイフが数本握られていた。キラリと光る刃が私に向けられる、それを守護者が私の目の前に立ちはだかり守る。


「まったくベルちゃん!今日は同盟を結びにきたの、戦うためじゃないわ!」


「なら俺、要らねーじゃん」


「あら、私のボディーガードでしょ?」


「オカマの身体なんて興味ある奴いねーっての」


ベルフェゴールの言葉にプリプリ怒りながらも彼(女)は私たちに椅子を勧めてくれた。一同が座ったところで私は口を開いた。


「大変魅力的なお誘いですが…今回はお断りさせていただきます」


「んまっ!どうしてか、聞いていいかしら?」


「………我々は、まだあの揺りかごの話を忘れてはいません」

「……」


私は次の言葉を言えなかった。今にも涙が出てきそうになる。そんな私に気付いてか、守護者の1人が口を開いた。


「ボスの父上…前のネオストラのボスは揺りかごによる抗争に巻き込まれた形で亡くなりました、その当事者である貴方方が自身の統率者であるファミリーと同盟を組めと?虫のいい話ですね」


「私たちも反省してるわ、それにこちらにも事情が―――」


「貴方がたの事情など私には関係ない!父は死んだ、その事実だけよ!」


思わず腰の銃に手を伸ばす。すかさずベルフェゴールのナイフが飛ぶ、守護者が刀で防護。そして沈黙が会議室を流れた。口を開いたのはルッスーリアだった。


「………分かったわ、とりあえずお互いのファミリーを傷付けないという不可侵条約だけは結びましょ?このご時世、無駄な殺しはよくないしね」


「……承知しました」



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