落ちたところは超高層ビル群のド真ん中だった。私は立ち上がると周りを見渡した。音が無い。人も車も、鳥も居ない。


「やっ♪ようこそチョイス会場へ」


すぐ後ろから声がした。聞き覚えのある、柔らかなテノール。――兄さんだった。ツナさんが恐怖を滲ませた声を出した。


「やあ、真白…とっても会いたかったよ」

「びゃ、くらん兄、さん…っ」


声が震えてしまった。自然な流れで兄さんの手が此方に伸びてきた。皆は周りに気をとられてる。そのまま触れた状態で兄さんは話始めた。動かしづらい瞳を右、左と動かすと、黒い同じような服に身を包んだ人たち。中には女の子もいる。


「何度も会っているような気がするけど僕と会うのははじめてかい?綱吉君」

「でっでたー!!白蘭と真6弔花!!」

「ここで戦闘をするからね。いいロケーションだと思わないかい?」


人を避けておいたらしい。でもありえない。兄さんはそんな事はどうでもいいって思うような人だ。でも、実際に人はいない…。一瞬不自然さを感じたけど、水色の髪の女の子が腕を武器に攻撃しようとしてきた事によってそんな事は吹っ飛んでしまった。その少女を独特な笑い方の人がブルーベルと呼んで宥める。独特な笑い方といえば……。オッドアイの彼を思い出した。そういえば、クロームさんは骸さんと同じ房がついてるな。なにか、あるのだろうか。10年前の恭弥さんは興味なさそうに私と兄さんを見ていた。


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