「ねぇ、真白…」


「な、に…にぃさ、ん」


「そう呼んじゃだーめっ!…教えたでしょ?」


「…………白、蘭」


「いい子だね、真白…」


暗闇の中に映える白が2つ。兄妹は1つのベッドの中に居た。細い身体を抱き締めるように兄の方がきつく自身の方へ引き寄せる。爛々と光るバイオレットの瞳は女としか見ていない彼女だけを見つめる。


「許してね?これも真白と僕の未来の為なんだから」


「な、何の話…?」


「大丈夫だよ♪すぐに終わるから…胡蝶の夢と一緒だよ――――」




意識は、暗闇に堕ちた。




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