「はひ!真白さんはイタリアから来たんですか!」
「リボーンちゃんや獄寺君と一緒ですね」
「その前は、フランスとかアメリカにも居たよ…」
羨ましいです!と可愛らしく反応する子がハルさん、ニコニコしながらお茶を注いでくれてる子が京子さん。2人とも本当にいい子だった。
ごはんが終わって片付けを手伝っていたらお茶をしようと2人が誘ってくれたのだ。お茶菓子に誘われてあとランボくんとイーピンちゃんも来ると言われた。どうやら沢田さんを含めて、9人も過去から来ているらしい。
「でも私たち、ここが何の為の施設か分からないんです」
「そーなんですよ!ツナさんたちったら"大丈夫だから"の一点張りで教えてくれないんですよ!」
「………そう、なんだ」
…………………沢田さんは優しい人、だからこの可愛い子達には血生臭い話なんてしたくないんだろうな。一般人には酷な話だから…ね。知らない方がいいと思ったんだろう。
なんて、愚かなんだろう。
もう彼女たちは関わってしまっている、敵は2人も攻撃対象と見なすだろう。それなら情報は与えた方がいい、それなら自分たちで対処できる幅が増えるから。
昔と同じ、沢田さんは優しすぎる。
「真白さんは知ってるんですか?」
「…知ってる、よ」
「ほ、本当ですか?!ぜひハルたちにも教え――――」
ハルは言葉を止めた。真白が涙を流したからだ。紫水晶のような瞳からぽろぽろ零れる涙、思わず綺麗だと思った。
「ごめんなさい。貴女たちが不安なのは分かるわ…でもリボーンちゃんと約束したから…」
「しょ、ショッキングですが…仕方ないですね!」
「そうだね…とりあえずおやつでも食べよ?ランボ君たちもきっと来るから」
純粋な彼女たちの落胆を見てられなくてお茶の水面ばかり見ていた自分がいた。…なんで…。
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