「予定が狂った、哲に案内させるからボンゴレアジトで待機してて」

「!恭弥さんもいってしまうのですか…?」


早朝、私はパジャマだったが恭弥さんはピシッとスーツを着こなしていた。こんな朝早くから殴り込みなんて、何か起こったようだ。私の頭をポン、としてから彼は出ていってしまった。

「真白さん……」

「……っ、着替えたら行きましょう」


私は部屋に戻るとへにゃりと座り込んだ。――――とうとう、始まった。私の自由、沢田さんたちの命、ボンゴレの存続、世界の未来を賭けた戦いが。どうか、勝てますように…。私は薄いピンクのワンピースを着て、草壁さんの元へと向かった。草壁さんはお茶を用意してくれていた。ありがたくいただき、一息つくと私は重大な事に気付いた。


………まさか、恭弥さんはヒバードを連れていったのでは…。



「それではあちらに行きましょうか、……真白さん?」

「はうっ、大丈夫です行きましょうはい!」



私は草壁さんに案内してもらい、ボンゴレアジトの作戦室に来た。ボンゴレと恭弥さんの地下財団は不可侵協定が結んであり、もしもの時しか隣接したボンゴレアジトへの扉は使わないらしい。司令室のそこにはリボーンちゃんと、また知らない人…。男の人2人と綺麗な女の人。


「お、来たな真白」

「おはよう、リボーンちゃん」

「リボーン、あの子は誰なの?」


綺麗な人が私をみて首をかしげた。リボーンちゃんが私を白蘭の妹だというとラルさんと同じように殺気が部屋に溢れた。片手にケーキ。…腐ってる?


「落ち着けビアンキ、真白は味方だ」

「あら、ごめんあそばせ。…真白といったわね?私はビアンキ、よろしく」

「よろしくお願いします、」


事情を話すと「よく頑張ったわね…っ!」と涙ぐみながら抱き締めてくれた。直に人の暖かさに久しぶりに触れて少し涙が出てきた。その後にジャンニーニさんとフウ太さんを紹介してもらった。草壁さんは用事があるからと出ていってしまった。まだ他にも人がいるからご飯の時に紹介してくれるらしい。


「今、沢田さんたちは…?」

「まだ格納倉庫あたりだ……まだまだ入ったばっかだぞ」


予想位置が画面にピコピコ光っている。この図面は骸さんが流したものらしい。リボーンちゃんはエスプレッソを飲みながら画面をじっとみていた。冷静そうだけど、やっぱり心配らしい。…本当に赤ちゃん、だよね?聞くか聞かないか迷っているうちに1時間が経過した。思い切って口を開く。


「リボーンちゃんは、赤ちゃんなのにヒットマンなの?」

「オレはアルコバレーノだからな、特別なんだ」

「アルコバレーノ…、虹?」


それ以上は聞けなかった。リボーンちゃんの胸元のおしゃぶりが光り輝きはじめたからだ。


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