(結構重要な小話)



この雲雀恭弥の地下財団にきて1日目の夜―――


「………寝れないな…」


初めての国や街に人、慣れない場所、用意された部屋に敷かれた布団…。全ては私を疲れさせ、寝づらさを増させるだけだった。


それに、つい先程まで教えて貰ったタイムトラベルの話…、もうぐちゃぐちゃだった。

真白には頼れるものが必要だった。今まで1人だった分、心の拠り所が欲しかった。前までは沢田さんだった。でも、もう………っ。



「なに、眠れないの?」


急に襖が開いて、雲雀さんが入ってきた。むっすーと不機嫌そうな顔、それでも美しいと思わせる人だ。


「す、すみません…」

「別に謝らなくていいよ。――僕は話した、だから君にも話してもらう」

「なにを、ですか…?」

「真白…白い悪魔、を知ってるかい」


初めて聞いた名前だった。情報をたくさん収集しているボンゴレの守護者ですら、知らない情報…。それを私が知るわけない。


「知りませんが…それは何なんですか?」

「………つい最近現れた暗殺者だよ。ボンゴレ関連のファミリーを壊滅させてるからミルフィオーレ側の人間だと思うんだけどそっちにいた時に当てはまる人物に会わなかったかい?」


ふとあの幻騎士を思い出した。でもその人なはずない、と思う。それに嫌な予感がする。首を横に振ると「あ、そう」と呆気なく納得してくれた雲雀さんに逆にびっくりした。


「雲雀さん…」

「……………恭弥」

「えっ?」


さらに顔を歪めて「名前で呼んで」とおしてきた。ずいっ、とこっちに顔を近付けたので、綺麗な、顔が、近いっ!着物だから男の人のたくましい胸元がチラリとしてて、柄にもなくドキドキしている…。


「きょ、…うやさん」

「………」


そう言うと満足したのか、ポンッと頭を撫でられた。温かい掌に急に眠気が襲ってきた。


「骸……さんも、こうして、く、れました…」

「…そう、じゃあもうお休み(あの南国果実め、咬み殺す)」


パタン、そんな音がした。いつの間にか布団にくるまり、寝ている自分がいた。




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