(メローネ基地にて)
白蘭さんとの通信が終わった。……あの、紫の瞳は苦手だな。チェルベッロに指示を出してから例の研究室に戻ると正一はため息をついた。とうとう…始まるんだ。ミルフィオーレファミリーと……過去からきた若き十代目ボンゴレファミリーの戦いが。まだバレてはいない、……はず。このままいけば、なんとかなる。
そのために僕はこの時代の綱吉君と何度も計画を練ったんだ。大丈夫、そう自分を奮い立たせて装置の確認を始めた。……よし、正常に機能している。ホッとしてからふとさっきの通信を思い出した。白蘭さんそっくりの女性がシーツにくるまっている姿が確認できた。まさか、あれが白蘭さんの妹…。あの恰好からして、………っそういう情事を終えた後なのだろう。本人も了承してるのか、そうでないのか。
一度だけ、たった一度だけ大学生の頃白蘭さんに好きな人は居ないのかと尋ねた事があった。その時にはもう記憶が戻っており、なんとか弱点はないかと色々探っていた時期でもあった。すんなり答えは返ってきた。
「妹だよー」
冗談か、と笑ってその場は終わったが、そういえば家族の話――特に妹が居るのはその時初めて知った。タブーなのか、そう思ってそれ以上は問わなかった。１回自ら妹について言った事があった。
「僕に似ていてね、とーっても可愛いんだ♪」
そう頬を緩ませて珍しく嬉しそうに話す白蘭さんは今でも覚えている。自分の容姿が整っている事に気づきながらも女性には興味持たず、しいて言うなら利用するくらいしか白蘭さんは女性に興味を持たなかった。
と言うことは…。彼女は、この戦いで重要な位置にくるのだろうか…？計算をするべく立ち上げたパソコンにデータを打ち込む。まだ資料が足りない。これは探らなくては。技術屋としての腕がなった。
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