女の子たちは先に着替えをしようという事で作戦室の近くの部屋で集まり着替えた。ユニの服を探そうとした矢先、近くで爆発音がした。慌てて外に出ると同じように皆が廊下に集まった。


「ツナ君!!」


京子さんが叫んだ。通信室から何事だとスクアーロさんが叫びながらやってきた。その後ろでまた爆発が起こった。振り返ると赤い炎を手から揺らめかす男が瓦礫の中立っていた。


「バーローみっけたぜユニ様、真白様」

「マグマ野郎!」
「た…たしかザクロって奴だ!」
「どーやってこのアジトの場所を」
「しかもこれほど簡単に侵入を…」


慌てるボンゴレ側とは対称的にザクロはポケットから粉々に壊れたものを捨てた。ふぁーあ、と大きな欠伸をする。それが気に食わない隼人さんと、武さんがリングに炎を点した。だがそれを制する者がいた。


「てめーらじゃ役に立たねぇ、ユニと真白つれてさっさとここから去れ!」

「スクアーロ!」
「ええ!?去れって…でも…1人で!?」

顔を真っ青にするツナさんにいらついたのか、スクアーロさんは叫ぶ。


「わかんねーのかぁ!すでにお前らは攻撃されてんだぞぉ!」

その言葉と共に今まで見えなかった嵐の炎と雨の炎が目の前で相殺し合っていた。


「目に見えない嵐の炎!スクアーロが雨属性の沈静の炎で相殺している!」

「スクアーロがいなきゃオレたちはとっくに灰だったな、さすがヴァリアークオリティーだ」

リボーンの言葉に炎越しにザクロを見つめた。…あの人は私とユニがこっちにいるから殺しにはかからないはず、きっとスクアーロさんが気付くことを見越して見えない嵐の炎で攻撃してきたのだろう。


「そろそろ一人でゆっくり静かにひっそり暴れてぇーんだぁ!!!」


突然のスクアーロさんの発言に一瞬空気が固まった。……流石、サメは動き続けないと死んでしまうっていうし。


「いこーぜツナ!スクアーロが大丈夫ってんなら大丈夫だ」

「わ…わかった!じゃあみんな…アジトから出ようか…?」


その言葉に一斉に駆け出す。勿論それを見逃そうとはしないザクロの炎圧が上がるがスクアーロさんが匣兵器を取り出し応戦した。私たちはジャンニーニさんの誘導のもと、外へと続く通路を駆けぬけた。


***


どうして私ばかり…。と悩んだ時期があった。それでもいつも立ち直ったり、考えを改めた。今回だってそう。私は1人では何もできない。昔は兄さん、親、今は沢田さん、ツナさん、骸さんやボンゴレの皆さん…。私は非力だ。


そう、だから行動をした。



「っ!?真白さん!」
「私は1人で逃げます!だからツナさんたちは気をつけて」
「駄目よ!」

ビアンキさんの声をあげるも爆発音で掻き消された。私は商店街から反対方向へと駆け出した。じぐざくに走り住宅地を走った。向こうからはまだ爆発音が聞こえる。私は目の前に見えた石段を駆け上がった。そこは戦った形跡のある、そう転送装置が私たちを吐き出したところだった。そこの境内の中に入り扉をしめた。息を大きく吐きながらその場に座り込んだ。

「はぁ…はぁ…ッ」

少しは、時間稼ぎになるかな…。1時間、そこでじっとしていたが誰も来なかった。ホッとして立ち上がる。油断はできない、場所を移動しよう。扉を開き一歩足を前に出して固まってしまった。笑顔が、前にあった。

「見ぃつけた」

ブルーベルの笑みがそこにあった。青い炎が真白の身体を包み込み、力をなくしたように崩れ落とす。呆気なく意識は飛んでしまった。



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