「む、骸ーーーーーー!?」

「骸様の…有幻覚…」


「あれれ?」


白蘭のリングからの炎圧が高まった。骸がそれを受け止め幻覚を使った。瞳が一になる。蓮の花が炎と共に天に上がった。


「ひいいスゲーーー!!」

「お久しぶりです沢田綱吉、真白」

「か…髪が伸びてる!!10年後の骸!?」

「骸さん…ケガは大丈夫なんですか?!」


真白が近寄ろうとするとサメを匣に戻したスクアーロが肩を掴んだ。振り返ると首を振ってダメだと言われた。


「真白の言う通りだよ骸クン。僕の部下に憑依した君はあの時精神ごと消したはずなんだけどな…。少なくともこんな幻覚はもうつくれないほどにね」

「クフフフフ、たしかにあなたの策略にはまり密閉された空間に閉じこめられた時はもうダメかと思いましたよ。…一人でしたらね」

「ん、あっ。そっかーーお仲間に外から穴を開けてもらったのね」


どうでもよさそうに白蘭は呟いた。ニコリと笑った骸は「アレは僕の仲間というには出来の悪すぎる子供ですが」と言った。


「どちらにせよあなたにもらったダメージはとても大きかったですよ。つい先刻までこんなことはできなかったほどにね」


その言葉が終わるのと同時に炎の勢いは更に強まり炎の柱がさらに白蘭を襲った。


「ハハハダメダメ骸君、これじゃ僕には勝てないよ…。いくら本物に近い幻覚とは言っても所詮、君はニセの作り物だ。僕に勝ちたいなら少なくとも復讐者の牢獄から抜け出して君自身の肉体で戦わないとね」


……どういう、こと?牢獄って…え。


「クフフフご心配なく。僕が自らの手で直接あなたを倒す日も遠くはない。我々はすでに動きだしている、…とだけ言っておきましょう」


我々、というのだから仲間がいるのだろう。先程言ってた外から穴を開けてくれたという人もそうなのだろう。…でもミルフィオーレ本部に侵入してそんなことをするなんて、よっぽど強い人なのだろう。


「それに今この場では足止めさえできれば僕の勝ちですよ。さあ、大空のアルコバレーノを並盛町へ連れて行くのです沢田綱吉」

「骸…!」
「ツナ、ここは骸にまかせた方がよさそうだ!」
「え、でも…」
「骸様!」


私とクロームさんの声につられるようにしてツナさんが声を張り上げた。


「骸!!また会えるのか!?」

その言葉に笑いながら骸さんは目を細めた。…本当に、まだ子供のようですね沢田綱吉。


「当然です。僕以外の人間に世界を取られるのは面白くありませんからね」




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