暗示が解けたばかりで身体が上手く動かせない私をディーノさんがおぶさってくれた。逃げようと走り出す私たちを勿論彼らは逃がそうとはしない。桔梗の攻撃が頭上から襲ってきた。思わず目をつぶってしまう。でもなかなか痛みがこない。そっと瞳を開けると獄寺さんの匣兵器のシールドが私たちを保護していた。守られたことに不満なのか恭弥さんの顔がむくれた。


「今度はぜってー止めてやるぜ。10代目!!今のうちに転送システムへ!!」

「わっわかった!ごめん獄寺君!いこうみんな!」



その様子を見ていたブルーベルはじれったそうに白蘭の裾を掴んだ。


「ニュニュウ〜。なーにやってんのかしら桔梗」

「バーロー、まどろっこしいビュンビュン草なんかじゃなくてここは一発よお!」


リングに炎が点される。轟々としていてどうやら大きな技を繰り出そうとしているようだ。桔梗が静かに静止を促した。


「それは強すぎますザクロ。ユニ様と真白様に傷がつくことを白蘭様は望んでいない」

「!!―わかりましたよ」


その瞬間によそ見をされていたことに苛ついていたスクアーロが襲い掛かった。まだまだ、時間はかかるようだ。白蘭は自らのリングの炎を揺らし、手を差し出した。



***



「非戦闘員は中に入れ、基地の中はアルコバレーノ用に非73線(ノン・トゥリニセッテ)対策もしてある」


スパナの言葉に京子さんにハルさん、リボーンやユニや正一さんやビアンキさんが中に入った。子供たちは京子さんとハルさんが抱えている。「あっ」と2人が大きな声をあげた。鮫がこっちにやってくる。


「よぉし!出せぇ!!」


スクアーロさんが叫んだ。どうやら恭弥さんの匣兵器のハリネズミのトゲが増殖して足止めをしているようだった。その本人はサメの後ろで胡座をかいて、なんとも余裕そうだった。しかしやってきた兄さんの物凄いスピードに目を見開いていた。


「白蘭!!」

「お前たちは先に行け。今度はオレが時間をかせぐ」

「ディーノさん、でも…っ!」
「真白さんの言う通りだよ!取り残されちゃうんじゃ!」


分かってる、でも誰かがやらないと真6弔花がすぐに来る。そんな時に霧の気配がクロームさんから急にした。霧が形作る。


「誰が相手だろうと僕を止めることはできないよ」

「クフフフフ…それはどうでしょうねえ。僕に限って」


「!!」
「…骸様」
「骸さん…っ!!」


久しぶりの彼の姿に涙が溢れた。




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