――ズガンッ!
「リボーン!!」
「おじさま!」
「図にのんなよ白蘭、てめーが誰でどんな状況だろうともアルコバレーノのボスに手を出すんならオレが黙っちゃいねーぞ」
手を伸ばしかけていた真白はその言葉にピクリと反応した。「あの子が、アルコバレーノのボス?」笑わせないでほしい。綱吉も本日何度めかの絶叫を響かせた。
「ナイト気取りかい?"アルコバレーノ"リボーン」
「白蘭様、ご安心くださいユニ様は我々がすぐにお連れします」
その言葉と同時に4人が飛び上がった。桔梗とザクロ、トリカブトに真白だった。ボンゴレ側も黙りはせずスクアーロと雲雀恭弥が応戦した。
―――きなよ
雲雀は静かにトンファーを構えた。それでもまだ、真白を気にしているようだった。
「なにげにみんな闘う気になってるーー!!」
「まあ落ちつこうよ桔梗ちゃん。ユニちゃんは病気でずっと眠っていたも同前だったんだ。急に目覚めて気が動転してるんだよ」
「ハッ白蘭様」
白蘭はユニに向かって提案をした。ユニを条件に、ボンゴレリングを奪わない、と。白蘭の頭の中には魂の戻ったユニが欲しいとそれだけしか考えていなかった。だからか、真白は少し頭痛がした。ぐわわん、と脳が何かが可笑しいと警鐘を鳴らしている。
「白蘭、なぜあなたが私を欲しているかはわかっています。わかっているからこそ、あなたの元へ帰るわけにはいきません」
すうっと目を細めた白蘭、冷たい視線がユニを貫いた。
「ふうん、じゃあやっぱりボンゴレリングは僕らのものだ、ユニちゃんが逃げ込もうとしてる連中にミスミス武器を渡すつもりはない」
「(……っ、)大丈夫よ兄さん、かんじんの白馬の王子はユニの願いにビビってるもの…」
いたいいたい。頭が割れるんじゃないかって程痛い。
真白が頭痛に気を取られている間にユニは73(トゥリニセッテ)の真理、つまりボンゴレリングを渡さなくていいと言い切った。それに驚く者たち、笑い飛ばす者。
「確かに大空のアルコバレーノには73(トゥリニセッテ)の運用について特権が与えられているらしいけど僕を怒らせるのはどうかと思うな。ボスのユニちゃんが裏切ったとして…残されたブラックスペルがどうなってもいいのかい?」
「!!」
動揺を見せたユニだがすぐに冷静になった。「…みんなは……わかってくれます」その言葉は何よりも重かった。
|